P2P技術で“2ちゃんねる効果”を軽減できる無料CDNが正式公開より:
分散P2P技術を使ってWebサーバーへの極端な負荷を軽減できる 無料のコンテンツ配信ネットワーク(CDN)をニューヨーク大学が開発し、 30日に正式公開した。
プロキシとして実装するのではないのが目新しい。 発想としてはRinGOchリダイレクタに近いのだが、 あらかじめ登録したページに割り振るのではない点。 Googleキャッシュに近いのだが、 リクエストがあってからキャッシュする点がそれぞれ新しいようだ。 さて、これから英文を読んでみる。
以下は The Coral Content Distribution Network を翻訳したものです:
目的
ポータルからリンクをクリックしたら、 自分の他に何千何万もの人がアクセスしようとしていて、 サーバが落ちていたらがっくりするでしょう? あなたがたのネットワークが本当に細くて、 それが原因で、同じウェブページにアクセスしようとする全ての人が、 ダウンロードの速度が遅いのを我慢しないといけないのでしょうか。 もしあなたがウェブサイトを運営したことがあればわかるのですが、 何千ものリクエストが突然に集中しているだけなのです。 それでサーバが落ちたり、使用料が跳ね上がったりします。 Coralをはこういった問題のための無償の(自由に使える)ソリューションなのです。
Coralとは何か
CoralはP2Pによるコンテンツ分散ネットワークです。 Coralを使うと高い性能とたくさんの要求に対応した ウェブサイトを作ることができます。 月50ドルのケーブルモデムがあれば、それで費用は全部です。 ユーザからアクセスがあると ボランティアでCoralを動かしているサイトが自動的にコンテンツを複製します。 Coralを通してのコンテンツの公開はシンプルです。 対象となるURLのホスト名に、短い文字列をつけ加えるだけです。 P2PのDNS層が、ネットワークに参加しているノードに、 ブラウザを透過的にリダイレクトします。 参加ノードは協力して、元となるウェブサーバの負荷が最小になるようにします。 近代的なP2Pのインデックス技術を使い、 キャッシュがネットワーク上のどこかにあれば、効果的に探し出します。 探し出せなかったときだけ、オリジナルのサーバを利用します。
Coralの目的の1つは、 ホットスポット(負荷が集中する点)を作るのを避けることです。 そうでないと、ボランティアは負荷が集中するのが恐くて、 サーバを動かすのをためらってしまいます。 その目的は斬新なインデックスの概念によって達成されます。 「分散した、融通のきくハッシュテーブル」(DSHT)と呼びます。 ノードの自己組織化クラスタを作り、相互に情報を取得し、 負荷を集中させたり、遠いノードと通信しないようにします。
CoralはNSFがスポンサーである、IRIS peer-to-peer 研究開発計画の一部として、 財政援助を受けています。
Coralは2004年3月から公開テストをしていました。
詳しい文献はこちら: http://www.scs.cs.nyu.edu/coral/pubs/
考えてみれば BitTorrent の立場がなくなるようなシステムですなぁ。
というコメントがありました。