杖術の型の説明を記録しておこうかなと思いました。 もともとは機縁会という十数年前にあった稽古会で習ったもので、その元ネタは松聲館(甲野先生)の杖術なのですが、 空手や中国武術(中国拳法)を参考にして整理しようとしていた途上のもののようです。
習ったものにはこういう套路みたいな連続型はほとんどないのですが、金山先生の真似っこでやってみたものですね。 普段こういう練習をしているわけではないので、久しぶりにやろうとすると左右がごっちゃになってダメです。
概要
基本的には対人戦闘の技術ではなくて、なんかこう空手とか合気道とかの基礎的な動きの一部が入ってて、 一人で練習するための体操のセットみたいなイメージで考えればよさそうです。 空手や中国武術を参考にしており、いくつかの用法や練習目的を1つの型にまとめている雰囲気を感じます。
基本的には7つの動作(型)があって、連続型には全て入れています(動作を一部省略している部分もあります)。 あと4つの動作があるのですが、元ネタが甲野先生のではないので入れてません。 甲野先生のオリジナルの杖術にももうちょっと別の型があります。
7つしか型がなくてすぐ覚えられるので、けっこうコスパがいいと思います。 その反面、必ずしも何かを網羅しているというわけでもないようなのですが。
用語
杖の端っこに小指が近くなる持ち方を「刀の持ち方」といい、 両手をスライドさせて端に親指が近くなったのを「箒の持ち方」と言います。 ひどいネーミングだと思うけど、かっこいい言い方を聞いたことないので。 刀の持ち方の方は杖道でいうところの「本手(ほんて)」になるのかな? 箒の持ち方と杖道の「逆手(ぎゃくて)」は違います(逆手は鉄棒の前回りのような持ち方)。
この持ち方の区別は手の位置関係の話です。 実際には小指を引っ掛けるだけの持ち方だったり、親指の付け根のところで挟むだけだったりします。 ほとんどのシーンで手首を反らしたままにするので、無理があるところは指でなんとかしてる感じですね。 手首を反らすことにこだわるのはオリジナルにはないようなので(むしろ反らしたり曲げたりのメリハリをつける)、たぶん先生の趣味です。 この写真では片手でスマホを持っているので実際の持ち方とはちょっと違います。
各動作について
- 水車(みずぐるま)
- 杖を胴体の正面で回しながら持ち替えて、脇に挟む動作です
- 本来は体の向きは変えないのですが、省スペースということで杖の回転方向を生かして体の向きを変えています
- 対人の技術ではなくて純粋に体操という感じです。他の動作もだいたい同じです
- 裏車(うらぐるま)
- 背中で杖を持ち替えるところが僕が習ったものです。その後杖を回すところまでがオリジナルで、反対の手で受取るのは江東友の会という稽古会で習った手順です
- 影踏み(かげふみ)
- 刀の持ち方で上を突いて、箒の持ち方で下を突く動作です。フェイントで顔を狙ってから脚を突くという説明があります
- 2種類の突き方の練習だったり、連続技の練習だったり、フェイントと本命攻撃の練習だったりするのだと思います
- 最初に突くところでは左半身を引きます。動画ではちゃんとできてなさそう。他の先生の動画だと左半身を出しながら突くのもあるようですね
- 半身を入れ替えるところでは動画では手を2回に分けてスライドしてるようなのですが、腕が広がる角度があるので一気に開いてしまえばいいと思います。この辺は先生自身も無意識にやってるので、さんざんダメ出しを受けた割に正解がわからないんですよね
- 2回目に突くところでは左右どちらの手も親指の付け根で杖を挟んでいます(右手はさらに手首を返しています)。これが肩の形や腰の向きや膝の向きに関わってくるようです。前の手はしっかり握り込む先生もいるようですが、この場合は手の形に限らず全身のバランスを変える必要があります
- 最後に後ろを突いていますが、これは次の動作に繋ぐ都合のところで、甲野先生の動画にそういうのがあったので真似しています
- 下段抜き(げだんぬき) / 返し杖(かえしじょう)
- 箒の持ち方で上を打って、刀の持ち方でもう一度打つ動作です。フェイントで横面を狙ってから体当りをするという説明があります
- 2種類の打ち方の練習というよりも、フェイントを含めた連続動作の練習に重きがあるように思います
- 杖を引っくり返すには手がちょっと下がった方がよく、そのためには腰が下がった方がいいが、後のことを考えると重心が下がりすぎてはいけないので足を上げて相殺しているという理屈のようです
- 返し杖という名前で呼んでいる先生もいるようです
- 下三方(しもさんぽう)
- 床を3回突く動作です。床も杖も傷むので当たらないようにしていますが、実際に畳を突く動作として習いました
- 箒の持ち方で左後ろ、刀の持ち方で右後ろ、箒の持ち方で右前を突いています
- 突くと表現しましたが、全体的に突く・打つの境は曖昧です
- 腕と足の動き、胴体の向きがワンテンポずれるのが特徴です
- 習ったやり方ではずっと手首は反らすのですが、手首を内側に曲げる動作を入れてメリハリをつける先生もいて、たぶんこっちが本来の方式です
- 巴(ともえ) / 錬法・巴(れんほうともえ)
- 箒の持ち方で上を振り抜いて杖を背負い、片手で打ち下ろす動作です
- 習ったのは動画と同じく振り向く動作ですが、向きを変えないものや、足の動きが違うものなど、いくつかバリエーションがあります
- 先生が昔公開していた動画のタイトルが「錬法・巴」でした。これに限らずほぼ全てが対人技術ではない運動なんですけどね
- 追杖(おいじょう) / 走り追い打ち(はしりおいうち)
- 杖を持ち替えつつ、2回打ち下ろす動作です
- 習ったのは追杖という名前ですが、走り追い打ちとも言うようですね。それが本来の名前かもしれません
- 鉄棒の前回りの持ち方(杖道の逆手?)になるのと、杖を回したり持ち替えたりしてるけどずっと同じ端を持っているのが特徴です
- 最後は水車に繋いでおり、これで最初の状態の左右逆に戻ります














