福冨諭の福冨論

RSSリーダーではこちらをどうぞ→https://feeds.feedburner.com/fuktommy

杖術と体術との関連の話

3年ほど機縁会という稽古会に通って練習していたが、数年前に活動休止になっちゃったので今までに習ったものからいろいろ考えてやってくというのが僕のテーマの1つなのだけど、1番頼りになりそうなのが杖術。ということを

を読んでいて思い出した。なにしろ一通り型を習ったのが杖術だけなのだから仕方ない。他の体術も習ってはいたけれども、理論から考えるとこうなるシリーズは理論を聞いた通りに覚えてなくて誤解してたり、その場のノリで説明してたりするからあまり信じちゃうのは危険。体術で技の効果を検証しようシリーズは検証用であって練習にはならない。となるとやっぱり残るのが杖術だけになる。

理論で解釈することもできるけど、その解釈が正しいかどうかは動いてみればわかるのだから、型というのはとても頼りになる。

この杖術は空手の応用で、空手が杖術の応用という関係にあることになっている。空手といってもけっこう大雑把に解釈してて、実際には中国武術とかも参考にしているとは思うのだけど。同じ系統の杖術とか、参考にした杖術とかと比べると独特の特徴があって、どうもそれが空手要素ということになるようだ。

といいつつ空手の型は習わなかったから稽古会で話題に出たサンチンとナイハンチをYouTubeで観て真似している。杖術だと「うまいこと杖を回せたということは、この動きは効果がある」というように検証できるのだけど、空手の型はなかなかそうもいかない。のだけど、昨日はちょっといい動きが出た。サンチンやナイハンチの最初の動きは腕や脚を内側に捻る動きで、その効果を保ったまま動く、というようなことを習った覚えがある。それを思い出してナイハンチを練習してみると、動きが単純化する。杖術でも動きを単純化していくのだが、その感覚とよく似ている。ということはこの動きは(このシリーズとしての)効果があると言える。

杖術での動きの単純化は、例えば「下段抜き」という杖を回転させる型では、回転した杖の左下側を左手で掴みたいので、その分左斜め前に踏み出すことによって、手の動きを少なくすることができると気付いた。前回の記事でも書いたが、杖術で左斜め前に出るという発想自体が制限されており、まっすぐ前に出ることしか頭になかったのだが、それだと左手の動きが忙しくなってしまって、杖の回転に間に合わない。

この空手にしても、この杖術にしても、向身系・半身系でいうところの向身系でも半身系でもできる。とはいえどっちが望ましいのだろうかというのは、この分析法を知ってから考えているところだ。今は半身系がメインで、向身系も少しあるくらいかなあと思っている。

基本の立ち方の練習が肩を引いた姿勢。空手でも杖術でも手首を反らせるのだけど、それは半身系と相性がよい。純粋に重みを支える機能は半身系が優れているが、重みを支えることもこの体術では重視されていた。というあたりが根拠になる。

杖術にこういう型があるのに対して、体術はほとんど型がなかったので練習が難しいというのはある。いろいろ考えてはいるが、腕を動かしたときに無意識に胴体がついていく(つまり脚が動く)ことが当面のテーマになりそう。それには肩の角度とか、脚の状態とか、そういういろいろな条件がうまく揃うことが必要なようだ。ほとんど同じ姿勢なのに腕だけが動いて相手に力負けすることがあったり、稀に胴体もいっしょに動いてくれたりする。これに関しては、相手に掴まれたところから、やりやすい姿勢に変化して技をかけるという3段階の手順を踏む稽古法がヒントになると思ってて、これでやりやすい姿勢を検討するのが効果ありそう。

一般的には最初からやりやすい姿勢を作っておいて掴ませるという稽古もあって、両方から検討できる。ほかにも例えば右手を掴まれてから左手を補助に使って相手を崩す型とかは、左手は単なる補助じゃなくて、自由に動かせる手という機能を使って姿勢を作る効果があるのかなあとも思ったりしている。