福冨諭の福冨論

RSSリーダーではこちらをどうぞ→https://feeds.feedburner.com/fuktommy

状況に応じて立ち位置や姿勢を変えて支えること

最近1~2ヶ月かけて徐々に気付いてきたことをまとめます。これは「あのとき先生がこう言ってたのはこういう意味だったのかもしれないな」みたいなのも含んでたりしますし、完全には同じじゃなくて独自路線なところもあるだろうし、そもそもいくつかの点で言語化しづらい話でもあるんですよね。まあがんばってみます。

タイトルに「姿勢」って書いてありますが、実はあんまり適切じゃないんですよね。姿勢というと脚とか胴体とかの状態を指すような気がします。腕を前に伸ばすとか横に広げるとかを指して姿勢とは言わないと思う。強いて言えば体の形・構造みたいな言い方になるんですかね。それはそれでニュアンスが変わっちゃうような気もしますが… まあこの記事で言いたいのは、腕とか指とかも含んだ括弧つきの「姿勢」の話です。

相手に前から押してもらうとします。これに対して足首あたりから体を倒してどんどん前傾していけば、そんなに力を入れなくても支えられます。まあ相手の力加減にもよりますけども、体を直立させて支えるよりはずっと楽です。相手が押すのをやめて急に引いたら倒れちゃうけど、そういう駆け引きの話は一旦除外します。こういうのも姿勢の範疇なのかな。ちょっと微妙な気がしますね。この記事ではこの辺の話「姿勢」に含めています。なんかいい用語があるんですかね。

タイトルにはもう一個用語がありました。「立ち位置」です。相手が前から押してくるのに対して前傾するとしたら、押されている箇所は押し返しつつ、足を下げていくことになりますが、この辺の話が立ち位置です。腕を伸ばして支えたいのに相手に近すぎるなら下がればいいとか、その程度の話ですね。なんとなく体術の検証では立ち位置を変えちゃいけないような印象があったんですけど、別に変えてもいいと思う。その程度の話なのでたぶんここ以降では話題になりません。

姿勢といえば僕が複数の先生から聞いた比喩で、手の平に箒を逆さに乗せてバランスを取る話があります。うまくバランスを取ればあまり力が要らないよねと。一方、箒を水平にして端を持てば、梃子の原理ですごく重くなります。同様に姿勢もうまいことバランスをとってやれば、あまり力が要らないよねという話です。これで充分説明したような雰囲気でしたけど、たぶんこれで1/3くらいの内容じゃないですかね。

もう1つの1/3は傘に登場してもらいます。傘をさしていたときに風が吹いてきたら、そっちに傘を向けるじゃないですか。それで雨が防げるというのもありますが、あまり力を入れなくても風の力を支えることができます。これも力の方向が違うだけで、箒の話と一緒ですね。箒だと重力方向の話だし、姿勢といえば自分の体重を支える話だと思うし、みたいな感じで話を聞いても思考が広がっていかない場合があるので、傘の比喩で応用範囲を広くしておきます。

残りの1/3はよくわかりません。箒や傘は曲がらないけど、体は関節で曲げることができます。これもこの記事でいうところの姿勢ですね。力を支えるにあたって、力の方向などに応じて、支えやすい状態と支えづらい状態があります。これらの状態がどういう原理によって「支えやすさ」に影響しているのか、僕にはわかりません。試行錯誤によって経験値を溜めることはできます。相手に正面を向ける・半身になって横方向で力を受けるの違いとか、肩を上げたり下げたり前に出したり後ろに引いたりとか、手首の反らし加減、木刀や杖を持つときの指の形、股の開き加減、膝の曲げ加減、爪先の向く方向などなど、調整できる要素はいくらでもあります。

ここまでは「支える」という受動的な効果に注目してきましたが、この姿勢は能動的な効果があると考えています。こういった支える姿勢で支える効果を保ったまま動くと、おそらく相手に伝える力が強くなり、おそらく避けづらい動きになります。この辺は充分に検証できてないので想像の割合も強いのですが。

力が強くなるのはたぶん自分が出した力や、相手に干渉する動きを自分で支えられるからだと思います。例えば脚をグッと動かしたとしても、その分肘が曲がってしまったら、脚の動きは相手には伝わりません。まあ実際には力に負けてしまうのは肘よりも肩の場合が多いと思います。

避けづらい動きというのは、甲野先生が昔の著書で説明していた「二力の合成」という原理の自分なりの解釈、あるいはこの用語から連想して作った自分なりの考え方ということになるかと思います。前述のように脚の動きが手に伝わる状態が作れたとして、脚も腕も動かしたならば、手は脚と腕の動きが合成された動きになります。合成された動きは避けにくいとされています。脚も腕も動かすということ自体は簡単なのですが、相手に力を加えるときに肩が負けてしまったら、脚の動きは伝わらず腕の動きだけの効果になります。また相手に触れていなかったとしても、脚の動き出しが手に伝わるのに微妙なタイムラグがあって、相手に避けられてしまうのかなあと思います。

というのがここ1~2ヶ月の気付きで、僕の習った/習っている/稽古している武術のある部分をこの原理で捉え直すというのが今のメインテーマです。これもまた言語化しづらいところで、「○○流」や「○○先生に習った武術」というような範囲と一致するわけでもないし、強いていえば「杖を使うから杖術」みたいな発想が近いんですが「杖=杖術」ほどには範囲が明確化されないというものでもあります。