福冨諭の福冨論

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Tropyの衝撃2

Tropyの衝撃の続き。

クローンの大量発生

Tropy Wikiを見るとわかりますが、8日現在で18ものTropyクローンがあります。 公開が3日で5日6日が土日だったことを考えてもすごいことです (参照: そのかわり、みんながウィークエンド・プログラミング)。

その理由を考えてみますと、Tropyが2つの要素を持っていたことにあると思います。

  • 1つのアイデアがウェブアプリとしての形を持ったこと。
  • 簡単に実装できそうに見えたこと。

ウェブアプリができればそれを自分でも実装したくなります。 Wikiやブログもさまざまな実装が生まれました。 今回は特に、何か作りたいのでヒントが欲しいと思ってる人が 潜在的に多かったのかとも思います。

盛り上がってるのはクローン作りだけ?

印象だけなんですが、クローンを作って公開してる人がほとんどで、 Tropyをダウンロードして自分で運営する、という人はあまりいないようです。 これについては以前からちょっと考えてたところがあるんで書きます。 もしかしたら繰り返しになってしまうかもしれませんが。

  • 第1層: ウェブアプリを提供する人。
  • 第2層: ウェブアプリを使ってサービスを提供する人。
  • 第3層: サービスを使ってコンテンツを公開する人。

ウェブアプリにはこんな感じの3つの層があると考えました。 実際にはもっと多くて、 第0層(サーバやインタプリタを提供する人)なんかもあるんですが。

僕がFukTropyを公開してるのは第1層のつもりなんですが、 ダウンロードして別のサーバにインストールしてくれる人はまだいないようで、 第2層としての役割が強いです。 訪問者からも第2層の役割を期待されてるような節がありまして:

それなら一層、そういう鯖にTropyクローンを置くのは、 間違ってるんじゃねえかと。

(Tropyクローンからの引用。)

第2層については鋭い指摘がありました。

コンテンツはいずれ「素でつまらなく」なる。客のレベルに依存したサービスはエントロピーに負ける。そこを超えるための要素はあるか?

(Tropyめもからの引用。Tropyについてのコメント。)

第1層より第2層がいい?

Tropyから離れてもう少し大きな視点で見ますと、 第1層単独よりも、 第1層を吸収した第2層の方が多くのユーザを確保できているみたいです。 Googleしかり、 はてなしかり。 第1層単独で広く使われているのは PukiWikiMovable Type くらいなものではないでしょうか。 あくまでも印象ですけど。

新月にしても、 このサイトで公開しているツールにしても、 第1層として提供するよりも第2層となることを選んだ方がいいのかもしれません。

Web2.0でどうなる?

最近Google Readerを使うようになったんですが、 どのページを誰が作ったかとか、どのサービスを利用しているのかとかが ほとんど意識されなくなりました。 ネットランナーの2005年12月号を読むまでは ニュー速VIPブログニャー速VIPブログとの区別がついてませんでした。 はてなRSSを使ってたときには、 それなりにサイトの区別がついてましたので、 Google ReaderのUIには秘密が隠されているようです。

そんなわけでWeb2.0の時代が来れば、 第2層は第3層を支える一部になってしまうのかなという気がしてます。 じゃあ僕はどうすればいいのか…