福冨諭の福冨論

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未だにP2Pを定義することができない

Winny開発者・金子勇さんが死去ということだけど、P2Pのイベントで一度お会いしたことがあった。と思う。どうも記憶が曖昧なのだけど。P2P匿名掲示板「新月」Winnyの設計を参考にしている。といっても「Winnyの技術」はまだ刊行されておらず、2chWinnyの動作がこうなっているという考察がいろいろあったのでそれをもとにしている。

そして当時から疑問であり、未だに解決していないのがP2Pの定義である。いちおうWWWと電子メール(SMTPPOP3のネットワーク)はP2Pではなく、WinnyとかSkypeP2Pであるということになっている。とはいえWWWも世界中にHTTPサーバーがあって縦横無尽に通信しているわけだし、電子メールに至っては個々人のワークステーション宛に電子メールを送るという運用もあったみたいだし、個人がPOP3でメールボックスにアクセスするとすると、そのメールボックスSkypeでいうところのスーパーノードだろうという気がする。というようなことから考えると、P2Pだと呼ばれるものと、そうでないものはそれぞれあるが、どういう基準によって分かれているのかとか、P2Pの定義が何であるのかというのが、未だに僕には理解できない。

あと特定のサービス、例えば動画共有サービスについて、P2Pを用いることでコストが削減でき、ビジネスとして進めやすいのではないかというような議論があるのだけど、僕はあまりそうは思わなかったし、今に至ってもあまりそういうサービスは一般的ではないように見える。というのもP2PではユーザーはPCの処理能力とか回線とかをいわば物納・物々交換的にサービス使用料として使っているので、だったら普通にお金で使用料を払えばいいのではにかと思う次第。一方で回線とか、特にPCの余剰能力を生かしてお金に変えるというのはあっていいと思うのだけど、実際のサービスとして存在するのかどうかは知らない(お金が絡まなければSETI@homeとかある)。余剰能力とはいえ使えば使うほど機材の寿命は縮むし、電気代もかかるわけで、どのくらい黒字になるのかわからないが、うまいことすればそれで稼いだお金を別サービスの使用料として使うこともできて、現代社会がお金を使う仕組みになっている以上、物々交換ではなく一旦お金に変換する方が自然ではないかと思っている。